BilingualDoctor’s diary

海外志向の医学生

女医であること

海外志向の私が将来を考える上で一番のネックになるのが「女医であること」です。

 

私が留学中に現地で出会った日本人の先生方のほとんどは男性でした。最も多かったのが、旦那さんの留学に奥さんがついてきて子供の面倒をみるというパターンです。

女性の留学に男性がついてきてくれるという例をあまり聞いたことがありません。

 

女性はタイムリミットがあります。

海外に行くにはある程度早い段階で準備しなければマッチングが成功しないという話も聞きますし、さらに結婚・出産を考えると30くらいを目途に一人は子供が欲しい...などと言った願望も出てきてしまいます。

 

どちらもとるにはどうしたらいいのか...

日々考えています。

 

正直、こういうことを色々と言わずに、「なるようになる!」と腹をくくって目の前のできることを一つずつこなしていくのが一番だということは分かっています。

しかし、やっぱり考えてしまうのです(笑)

 

 

国際医療福祉大学

国際医療福祉大学の生徒さんとお話する機会がありました。

驚いたのは、そのカリキュラム。

2年生までにすべての範囲を英語で学習し終えて、3年生では日本語で復習することにより、CBT(3年生)に備える。その後、4年生から6年生の半ばまで臨床実習で、その間に海外での実習もあるとのこと。

このカリキュラムは本当に理想的だと思います。

(ついていけるかどうかは別として(笑))

 

例えば私の大学では、1-2年生で基礎医学をのんびり終わらせて、3年生くらいからちょこっと臨床医学を学び始め、4年生で急いで臨床を固めてやっと5年生から臨床実習。(最近は少し早まってきました。)

低学年の間はかなりのんびりで、高学年になるにつれて忙しくなりすぎる印象。低学年の間はあんなに時間があったのに、どうして高学年になるとこんなに急ピッチで頑張らなければいけないのだろう、、、と思ったことが何回あるか分かりません。

 

日本は6年間医学部に通うので、この時間を有意義に使うためには、国際医療福祉大学のカリキュラムを見習うべきだと強く思います。

医学英語に力を入れないとしても、早い段階で勉強を終わらせて悪いことは何一つないです。中高教育でも、早めにすべての範囲の履修が終わる学校の方が進学成績が良いのと同じで、医学教育も同様にするべきです。

是非、少しずつ変わっていって欲しいと思います。

 

さらに言えば、1学年で20人ほどの生徒さんがUSMLEに合格されているようです。

かなり高いポテンシャルと学力のある生徒さんが集まっているのは知っていましたが、改めて刺激を受けました。

 

医学界に新しい風が吹いていますね。

 

「田舎者と貧乏人を初めて見た話」について

私は基本的に地方での暮らしが長い方なので、田舎ならではの不便な点もよく理解しています。

 

以前こちらの記事が注目を集めましたね:

 

これを読んで感じたのは、やはり小さい頃に都会・地方どちらの環境もみておくことが重要なのではないか、ということです。

私は幼少期にどちらの経験もできたため、地方では医学部に行くというと優秀だと思われがちですが、上には上がいるということをよく理解しています。

また、ブランド品がいかに地方では手に入りにくく浸透していないかや、学生時代はたくさんバイトをして節約生活を送っている人も多いということも然りです。

ただ、地方から都会に行くことはあっても、都会から地方にという機会は珍しい分、この筆者の方はかなりの衝撃を受けたのでしょう。

けれど、言い換えればこれも良い経験で、世の中にはこんな暮らしもあるのだと、知ることができたというのは、視野が広がって良かったのではないでしょうか。

 

同じように東京から出てきている友人に、「ここに来た時絶望した?」と聞いてみると、「勉強しに来たわけだし、最初は何とも思わなかったけれど、やっぱり買い物するところやご飯を食べるところはないし、、どうしようと思ったけど、旅行したりバイトしたり、今を楽しむように心がけてここまでやってきたよ♪」とかなりのポジティブな解答でした。

やはりそうやって前に進んでいく人、その場でできることを見つけて突き進んでいく人は、本当に素敵だな、と思う限りです。

 

私も地方の暮らしが嫌になってきているところではありますが、、、

「今」を楽しむ生き方ができるよう、日々頑張っていこうと思う次第です(笑)

 

Life hacks

自分のやりたいこと、目標にむけて前をむいて進もうとしている中、なんだかなぁ...と思ってしまった時、私はある動画を再生します。

2022年のNew York UniversityのCommencement SpeakerのTaylor Swiftのスピーチです。

もう暗唱できるくらい聞きました(笑)

 

スピーチはこちら:

 


www.youtube.com

 

日本語版はこちら:

 


www.youtube.com

 

彼女のスピーチ、本当に励みになります。

いくつか、私のお気に入りの部分をピックアップしてシェアしますね。

 

ところで皆さん、ライフハックという言葉をご存じですか?

 

"I will, however, give you some life hacks I wish I knew when I was starting out my dreams of a career, and navigating life, love, pressure, choices, shame, hope and friendship."

「キャリアの夢を始め、人生、愛、プレッシャー、選択、恥、希望、友情をナビゲートするときに知っていればよかったライフハックをいくつか紹介します。」

 

ライフハックとは、日々の活動などをより効率的にする策や技のこと、だそうです。

あれをしろ、これをしろ、というのは嫌なので、彼女がキャリアを始めるにあたり知っておきたかったテクニックについて話しています。

 

"The first of which is…life can be heavy, especially if you try to carry it all at once. Part of growing up and moving into new chapters of your life is about catch and release."

「その 1 つ目は、特に一度にすべてを抱えようとすると、人生は重くなる可能性があるということです。 成長し、人生の新しいチャプターに入る過程の一部は、キャッチ アンド リリースです。」

 

これは私にとって最もぐぐっときたフレーズです。

まさに、将来を考えて悩んでいた時期だったので、このCatch and releaseを迫られていた時でした。二兎を追う者は一兎をも得ずではないですが、人生で、自分のやりたいこと、ほしいものがすべて手に入るようなことはない。何か手放さなければいけないものがある、ということを改めて思い知らされました。

 

"Oftentimes the good things in your life are lighter anyway, so there’s more room for them. One toxic relationship can outweigh so many wonderful, simple joys. You get to pick what your life has time and room for. Be discerning. "

「多くの場合、あなたの人生の良いことは軽いので、より余裕があります. 1 つの有毒な関係は、多くの素晴らしくシンプルな喜びを上回ることがあります。 あなた自身が、自分の人生に時間と余裕があるものを選ぶことができます。 しっかり識別してください。」

 

そこで何を選ぶかは自分次第だ、ということですね。

 

また、人生に失敗はつきものである、ということを繰り返していました。

 

"In your life, you will inevitably misspeak, trust the wrong people, under-react, overreact, hurt the people who didn’t deserve it, overthink, not think at all..."

「あなたの人生において、あなたは必然的に言い間違いをし、間違った人を信用し、過小反応、過剰反応し、それに値しない人々を傷つけ、考えすぎたり、まったく考えなかったりします...」

 

"We are led by our gut instincts, our intuition, our desires and fears, our scars and our dreams. And you will screw it up sometimes. So will I. And when I do, you will most likely read about on the internet. Anyway…hard things will happen to us. We will recover. We will learn from it. We will grow more resilient because of it. "

「私たちは、本能、直感、欲望と恐怖、傷と夢に導かれています。 そして、あなたは時々それを台無しにするでしょう。 私も同じです。そして私が失敗した時、あなたはおそらくインターネットで読むでしょう。 とにかく…つらいことも私たちには起こります。 そうすると、私達は回復し、 そこから学びます。 そのおかげで、私たちはより弾力的に成長します。」

 

失敗をした時こそ、学ぶことや得るものは多いということですね。

 

彼女のキャリアも壮絶で、色々とありましたが、33歳になっても未だにこれ程人気のあるアーティストはいないと思います。

人生経験のスケールが違いすぎますが、とてもためになるスピーチだと思いますので、断片的な紹介になりましたが、興味のある方は是非(30分と長いですが)聞いてみて下さい。

 

 

留学で大切な3つの要素

去年の話になりますが、米国で活躍されている外科医のM先生とお話していたときのことです。

M先生は、海外で活躍されているたくさんの日本人医師を知っていますので、ある質問をしてみました。

 

「日本から出て海外で活躍されている先生方の共通点は何ですか?」

 

先生は、3つの共通点があると言います。

それは、

①English

②Communication skills

③Positivity

です。

 

なるほど、、

海外で働くために英語が必要なのはもちろんのこと、特に米国なんかではコミュニケーション能力がなければ自分の長所をアピールすることもできませんし、コネクションを作る際にも不利ですね。

 

私に今一番足りていないのはPositivityかなと思いました。

少なくとも今いる私の環境では、海外志向の人は少なく、なかなか周りにも理解してもらえない中、海外で活躍できるように日々こつこつUSMLEにむけて頑張っていると、なんだか不安な気持ちになってしまったり、ネガティブなことを考えてしまったりします。

 

けれど、どんなことがあっても大丈夫だ!多少の失敗では挫折しない!くらいの強い精神力がなければ、到底海外で頑張るなんて無理ですね。

 

今できることは努力することくらいしかないですが、少しずつ頑張っていこうと思いました。

留学生との交流

日本の医学部にいるだけではなかなか視野を広げるのは難しいですが、

とても良いチャンスとなるのが、留学生との交流だと思います。

 

今日は東南アジアからの留学生との交流の機会がありました。

医学部ではなく、テクノロジーの研究をしている大学生でしたが、

日本の印象や研究内容、もちろん観光についても、色々とディスカッションができて勉強になりました。

 

日本で働くことが夢であると語ってくれた男性は、自国の労働環境に不満があると言います。自分のやりたいことを形にしてくれる環境が日本にはある、と情熱的に話してくれました。

欧米から日本に留学という考えが基本的にはないので、日本に留学したいと思ってくれている人がいるということに、なんだか感動しました。

また新しい視点に気付かされました。

 

コロナが緩和されて、こういった機会が増えることを願っています♪

 

コミュニケーションとしての英語

私は2年間ほどアメリカで英語を学び、日本の中高でも英語教育を受けたのですが、その際大きな疑問を覚えました。それは、文法中心の教育です。ひたすら教科書や問題集で文法を学び、テスト受ける。その目的はテストで高得点を取ること。

 

私は、言語を学ぶという目的は、他者とコミュニケーションをとるため、であるべきだと強く思います。今の日本の教育方法では、話せる英語を身に付けることはできません。ただただ難しい文法がよくわからないなと思い、嫌になってしまうだけです。

 

「英語は、コミュニケーションツールである。」

 

これを再認識することが、最も重要ではないでしょうか。